「既にあるもの」で芽吹かせる
repo_url
date
Mar 13, 2025
thumbnail_url
slug
creating-with-what-exists
status
Published
tags
boyaki
summary
リサイクルを超えた、ものづくりという対話の形
type
Post
outer_link
今日は帰り道、気になっていた展示に足を運んだ。期待以上の出会いだった。
栃木で大工をしていた栗原さんは、捨てられるはずだった廃材に新しい命を吹き込んでいた。素材や物の形をそのまま活かしながら、素敵な作品へと生まれ変わらせる手腕に、ただただ感嘆するばかり。

そこにあったのは、豊かさの本質についての静かな問いかけだった。「制約」と「創造性」の関係性について。お金や材料が限られている。そんな制約の中で、あるものをどう組み合わせるかという視点が、むしろ豊かな発想を花開かせていた。
何もないところから創るのではなく、既にあるものの可能性を見出す。それは単なるリサイクルを超えた、物と対話するような創造のプロセスだ。木目の流れを読み、節の位置を活かし、傷さえも味として取り込む。そこにあるのは、物を使い捨てる文化への静かな抵抗と、素材への深い敬意。
グリーンのコンパネの端材に葉の形を油性ペンで描き、切り出すことでポップな盆栽をつくりました。 . 盆栽を始めてみたいなと思うこともありましたが、生き物を育てるのはかなり苦手なので断念しました。手間をかけ変化を楽しむ本来の盆栽とはまた違いますがこんな盆栽もありなのではないでしょうか
気に入った作品を一つ購入させてもらった。栗原さんは「これは完成品ではないから、どんどん加工してもらっても構わない」と言った。この言葉に胸を打たれた。
創り手が、作品を手放した後も続く物語を想像している。物との関係は、所有した瞬間に固定されるのではなく、これからも共に育っていくものなのだと。偶然の出会いが、物の見方を少し変えてくれた夜だった。