なんで、飲食店では通話禁止とされているんだろう
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date
Aug 25, 2025
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restaurant-phone-call-problem
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boyaki
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ふと、気になったので調べてみた
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今日、カフェで電話をしている客がスタッフに注意されていた。その人は困惑した様子で「喋っているのは同じでしょう?なんで通話だけダメなんですか?」と反論していた。確かに理屈としては分からなくもない。声の大きさが同じなら、会話も通話も変わらないはずだ。
しかし実際のところ、私たちは通話を聞いている時と普通の会話を聞いている時で、明らかに異なる感覚を抱く。この不思議な現象には、実は深い脳科学的根拠があるとのことで調べてみた。
脳の「推理モード」が暴走する
なぜこうなるのか。人間の脳は断片的な情報から全体を推測しようとする性質がある。完全な対話では文脈を理解できるが、片側だけの会話では「相手は何と言ったのか」という疑問が絶えず湧き上がる。脳が常に推理モードで作動し続けるため、認知リソースが奪われてしまう。
コーネル大学の研究者たちは、この現象を実験で検証した。被験者に認知課題を行わせながら、無音、独白、完全な対話、そして電話の片側を聞かせた。結果は明快だった。電話の片側だけが明らかに認知パフォーマンスを低下させたのだ。研究者たちはこの現象を「ハーフローグ(halfalogue)」と名付けた。half(半分)とdialogue(対話)を組み合わせた造語である。
文脈の欠落が生む誤解
実例を一つ。若い男性が電話をしていて、周囲に聞こえたのは「ドイツ人が正しかった」「何人かを排除する必要がある」という断片だった。乗客たちは眉をひそめた。人種差別的発言だと解釈したのだ。
実際はサッカースタジアムのテラス席復活についての議論だった。「テラス席で」という文脈が抜け落ちたために、とんでもない誤解が生まれたのである。
なぜ飲食店は通話を禁止するのだろうか
片側だけの会話は、ハーフローグ効果しかり他の客の集中力を削ぎ、店内の居心地を悪化させることに繋がるからであろう。その上に、通話禁止には「その場にいる人との時間を大切にする」といったような考え方や文化的配慮も大きく関わっている。つまり、科学的根拠とマナー的配慮の両方が重なって、通話禁止という慣行が成り立っているのであろう。おわり。